今後私達は原子力発電にどう向き合うべきか

福島第1原発の事故は、3号機に対して自衛隊ヘリによる水の投下を開始するなど、予断を許さない状態が続いています。

現場の第一線で危険と隣りあわせで作業をされている方々には、本当に頭が下がりますし、十分に安全を確保して作業にあたって頂きたいと思います。

 

今回の原発事故は、世界各国も固唾を呑んで見守っていますが、各国の原子力政策に対して大きな影響を与えるのは間違いないでしょう。

これから原子力発電所を多く建設する予定の米国や中国は、方針に変更はない旨コメントを出していますが、このまま進めるのは難しいでしょう。

 

一方日本国内ですが、現在は日々進展する事故を如何に終息させるかが一番の関心ごとですので、原子力発電所の是非に関する議論は沸き起こっていませんが、ある程度の目安がついた段階で色々な意見が出てくることでしょう。

 

多分、「原子力発電所は危険なのでいらない」「現在稼動している原子力発電所の稼動を停止させろ」という意見が大方を占めるのは容易に推測できます。

 

確かに、「原子力発電所=危険」という考えから、もう原子力発電所は止めようという意見は理解できなくもないのですが、その時、一方では私達は大きな『選択と決断』に迫られると思っています。

 

それは、原子力発電を継続しこれまでの様な便利な生活を求めるのか、それとも先日から始まった計画停電のように、電力供給の制限を我慢し不便な生活になるのを受け入れるかを。

 

私達がどれだけ原子力発電に頼っているかですが、Wikipedia(ウィッキペディア)に掲載されているデータによると、日本の各電力会社での全発電量に占める原子力発電比率は以下の通りです。

 

北海道電力 : 約40%

東北電力 : 約16%

東京電力 : 約23%

中部電力 : 約15%

北陸電力 : 約33%

関西電力 : 約48%

中国電力 : 約8%

四国電力 : 約38%

九州電力 : 約41%

沖縄電力 : 0%

 

この数値を見てどの様に思われたでしょうか。

 

中国電力と沖縄電力を除いた多くの地域において、私達が使っている電気は如何に原子力発電に依存しているのかがよくわかります。

北海道電力や関西電力、四国電力、そして九州電力は発電電力のうち約4割。

今問題となっている東京電力でも約1/4が原子力発電によるものです。

 

もし、原子力発電を止めてしまったら日本で何が起きるか。

 

今回の東京電力による計画停電は、この時季に必要な電力量の約1/4が不足しているために起きていることを考えると、各地でどの様なことが起きるかは想像するまでもなくわかります。

 

「それじゃ、原子力発電所の代わりに、火力発電所や水力発電所を沢山作ればいいじゃないか」という意見が出てくると思いますが、それはそれでまた難しい問題があります。

 

例えば「石油火力発電所」は、1979年の国際エネルギー機関(IEA)閣僚理事会において、「石炭利用拡大に関するIEA宣言」の採択が行われ、この中で「石油火力発電所の新設禁止」が盛り込まれ、それ以降日本でも新設ができなくなりました。

水力発電所は、地形が適していなくてはならず、そう多くは作れない現実があります。

また、今注目されている太陽光発電や風力発電に至っては、発電電力量は少ないですから、到底ベース負荷を補うことなどできません。

 

今回の様な事故が現実に起きると「原子力発電を日本から無くせ!」と思わず口に出したくなるのですが、一方では原子力発電を止めたら必要電力量を確保できないという大きな問題に直面することを私達は十分に認識する必要があります。

 

それを認識した上でどうするか。

これまで通りの便利な生活を選ぶが、不自由な生活になっても原子力発電所のない安心した生活を選ぶか。

 

私達は、『大きな選択と決断、そして覚悟』を迫られるのは間違いないでしょう。

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